事業承継情報

クローズアップ現代|「サラリーマンが会社を買う!個人M&Aで逆転人生?」を見た感想

2019年6月26日にNHKのクローズアップ現代にて「サラリーマンが会社を買う!個人M&Aで逆転人生?」というタイトルで、事業承継に関する番組が放映されました。

ちょうど自分がやっている活動と同じ内容で馴染みのあるいすみ市の話という事だったので見てみました。30分の番組でしたが濃密な内容だったので番組概要を紹介します。

本記事ではクローズアップ現代の番組内容について紹介と放送後のネット上の声および実際に活動している自身の感想を紹介します。

最近サラリーマンがM&Aで会社を買うといった事例が増えている

老後2000万円必要といわれる時代に資産を作る方法として会社を買うという方法をとるサラリーマンが増えてきており、最近だとこんな事例が

  • 元トラック運転手が250万円で豆腐屋を設備込みで購入
  • Tシャツ販売の会社を50万円で購入、売上は右肩上がり。
  • ハイヒール用のアクセサリー会社を200万円で購入した方は3年で売上はなんと5倍に!!
事業承継 後継者のいない会社を買って社長になる!? 本記事では、起業を考えている人が中小企業の後継者となる事のメリットについてと筆者自身が後継者候補となるべく活動した事例について紹介します...

令和になってコピー会社を買ったサラリーマン

IT企業の営業マンだった宮本さんはM&Aマッチングサイトのトランビを使って案件を見つけ900万円で購入。

売り手の元社長の松崎さんのコピー会社は、松崎さんの人柄に顧客が集まり毎年黒字運営でしたが健康上の問題で売りに出したそうです。

宮本さんは営業職の経験をもとに今後の新規事業のアイデアをいくつも提案し、松崎さんの心を掴み成約に漕ぎつけました。

会社を買った宮本さんは、サラリーマンとして25年働いたものの給与面でも仕事面でもこれ以上の伸びを感じられなったことや、自分の為に働いているといった実感をもちたいというのが会社購入に踏み切った大きな理由だそうです。

今の目標は購入した会社を5年で売上3倍にする事。

M&Aマッチングサイトトランビとは

現在黒字でも跡継ぎがおらず廃業していく、そんな状況を実際に目の当たりにしてきた町工場の跡継ぎ社長の高橋さんが、そんな状況を改善させる事は出来ないかと始めたサービスが

トランビというM&Aマッチングサービス。

現在は5件に1件がサラリーマンなど個人によるもので個人のM&Aが活発になってきているとの事。

町工場の社長が立ち上げたサービスというのはなかなか感慨深いですね。

M&Aする案件を探すのにトランビを使おう|登録方法から使用方法、体験談を徹底解説!会社を買いたいと考えても、そもそもどうやって案件を探せばいいんだという途方に暮れるのではないでしょうか。そこでおすすめなのがネットのM&Aマッチングサービスを利用する方法です。本記事ではM&Aマッチングサービスの中でも国内最大手のトランビの使い方や体験談について説明します。...

個人でM&Aを学ぶオンラインサロンによるいすみ市事業承継ツアーが開催

20代~50代の200人が参加しているM&Aを学ぶためのオンラインサロン

このオンラインサロンのメンバーがいすみ市と企業のマッチングの為のツアーを企画し、サロンメンバー20人が千葉県いすみ市へ。

いすみ市には沢山のものづくりを営む会社があり、これらの事業が承継されていかないと地域が滅亡してしまうと危機感を抱いているいすみ市長。

NHKのディレクターがツアー参加者に

「地域経済を支えていくという覚悟をもっているのか?」と質問をすると

ツアーの参加者は皆、責任と覚悟をもって参加しているとの事。

逆にサラリーマン生活ではそういった責任をおうことが無かったので、今後はそういった責任ある、やりがいのある仕事をしたいと考えているそうです。

いすみ市のチーズ工房へ

マッチングツアーでいすみ市のチーズ工房へ見学に。ここのチーズはJALの機内食で提供もされた事のある、いすみ市では有名なチーズ工房。

工房の代表かつ職人である駒形さんは81歳。

この事業に強い想いを抱いており現在も数億円単位の壮大なプロジェクト構想を考えており、そんな想いに共感して事業を承継してくれる人がいればと語る駒形さん。

数億円という金額と代表の想いを聞いて沈黙し、ただ会社を買うのではなく代表の想いと技術を継いでいかないという事に改めて責任について考える参加者達。

勝浦の千葉最古の銭湯へ

次に向かったのは勝浦の千葉最古の銭湯。なんと築100年。

築100年という事もあり施設は老朽化しており改修する必要があり、かかる費用は1億円ほど。

億という金額から、この案件も難しいかと思いきやサロンメンバーは乗り気で活用方法や今後の運営方法のアイディアが次々に沸いてきます。

個人では難しいのでサロンメンバーでチームを作り、この地域の代表者と今後、会合に望むそうです。

作家:石井光太さんの話

石井さんが事業引継ぎ支援センターに何度か取材にいった現状を語ります。

{事業引継ぎ支援センターとは国が運営している事業を売りたい事業主と買いたい人をマッチングするための機関です。}

事業引継ぎ支援センターに登録してM&A案件を紹介してもらおう|登録方法から紹介してもらう為のポイントを徹底解説!会社を買いたいと考えて、ネットのM&Aマッチングサービスを利用してみたものの自分が探している業種が中々見つからなかったり、ようやく見つけたとしても交渉に進めなかったりします。そこでネットのM&Aマッチングサービス以外での案件の探し方として国が運営している「事業引継ぎ支援センター」がおすすめです。事業引継ぎ支援センターではマッチングからM&Aのサポートを受ける事ができます。この事業引継ぎ支援センターへの登録方法から使用方法を紹介します。...

事業引継ぎ支援センターに来る案件というのは地方の場合、少子化で活気の無くなった町の中の電気屋さんや洋服屋さん、本屋さんといった、その地域で事業が成り立たなくなった為事業引継ぎ支援センターに事業を売りたいと相談しているというのが大半。

買う側もあまり計画のないまま買ってしまい、上手くいかないというケースがほとんどだそうです。

引継ぎをできる環境が用意されてる会社はほとんどなく、買う側も事業を上手くやっていける能力を持った人材が集まっていないという問題があり、そこを改善できる仕組みを考えて行かないと難しいと考えているそうです。

今後の課題

石井さんの言っていたように成り立たなくなった事業以外にも地方には、事業引継ぎ支援センターに相談しないけど毎年黒字の優良な中小企業もある

ただそういう企業は承継していく価値なんてないんじゃないかと感じて事業引継ぎ支援センターに相談に行かないそうです。

そういった地方の優良な会社をどうやって発掘していくのか、そして承継できる能力のある人材をマッチングしていくのか?その仕組みをもっと考えていかなくてはいけない

また会社を買うことによる利益だけを考えるのでなくて会社が数十年かけて背負ってきた大きな物語を継承していかなくてはならないといった事についても、M&Aをしようとしている人は考えていく必要があるとの事。

個人M&Aに失敗した体験談

大手メーカで技術者として働いてきた手島さん52歳は、フリーペーパーの事業を150万円で購入しました。

営業経験はほぼなかったものの頑張れば何とかなると考え購入。

将来的な算段として営業活動を行って広告収入を増やし、広告収入で400万円以上稼ぐ事ができればフリーペーパー発行経費が250万円なので月に150万円の利益を出すことができ、年収1800万円も夢でないと考えていました。

2019年の3月に会社を購入し経営。

それから2か月が経ち状況を確認しにいくと厳しい現状がありました。

広告を取るための営業で大苦戦し新規の広告はゼロ。

現在は毎月200万円の赤字が続き金融機関から借り入れた資金も底をつきがけているそうです。

失敗の要因は営業の経験がなく営業活動を甘く見ていた事。

現在は事業を売る事を決めマッチングサイトに売りに出したそうです。

個人M&A 3つの教訓

手島さんの失敗をもとに3つの教訓について出演者が説明していました。

  • 勝手知ったる分野で

知らない分野を経営経験のないサラリーマンが始めるのはリスクが高いので自分の今までの経験が生きる事業を買うべき。

  • 人材も引き継げ 

お客は人材についている事がほとんどでM&Aの良さは人材もついてくる所であるので、M&Aした際には社員を引き継ぎ上手くやっていくべし。

  • 本当にやってみたい仕事か

やはり本当にやりたい仕事でないと無我夢中でできないから、購入前によく考える事。

どれもその通りですね。特に本当にやってみたい仕事かというのは大切だと思います。

ネットの上の評判や感想

 

 

 

経営者と思われる方からはサラリーマンの経営に対する甘い視点やツアー参加者の一攫千金を夢見たコメントに厳しい意見がたくさんありました。

全体的に個人がM&Aをするという事に懐疑的な意見が多くみられました。

感想

ネットでは300万円以下で儲かっている会社なんて売りに出すわけないだろうという経営者の方の意見が多くありました。

確かにその通りで、今回サラリーマンが会社を買うブームの火付け役になった本が「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」という本なので

最初に300万円以下でサラリーマンが会社を買った事例が紹介されていたのかなと思いますがトランビ等のマッチングサービスでは300万円以下の案件を見つけるのは難しいですし、300万円以下だととんでもない債務を抱えていたりと問題がある会社ばかりで優良な会社はほぼ無いです。

紹介されていた会社はさわり程度しか紹介されておらず実態には触れられて無かったので300万円以下で購入できるんだと番組を鵜呑みにはしない方がいいと思います。

サラリーマンからはじめるM&A事業承継|第1話~300万円の会社はろくでもなかった~2018年に三戸政和さんの「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門 」という本を読んでM&Aによる事業承継というものがある事を知り活動をはじめました。今後、サラリーマンの方や個人でM&Aによる事業承継を考える人が増えたり、活動をしている人の参考になればと思い体験記を書いていきたいと思います。...

ただ黒字で優良な会社というのはそこら中にあるし、いすみ市長が言っていたように事業が継承されていかなかったら地域は崩壊してしまう。

あと数年でそういう状況を迎える危険があるのは事実なので、興味をもって活動してくれる人が増えるといいなとは思います。

ネットでの放送後の意見はネガティブな意見が多かったのですが、その要因として個人で会社を買ってどうなったかという情報が少ないせいじゃないかと感じています。

今回の放送でも触りで何例かサラリーマンが会社を買った例が紹介されてましたがさわり程度でしたし失敗事例も一件だけ紹介されてましたが、原因が営業経験がなかったからといった非常にチープな分析でした。

成功したにしろ、失敗したにしろ何故そうなったのかをもっと掘り下げる番組が放映されたりして、個人M&Aに関する情報が増えていけば更に事業承継は活性化していくんじゃないかと考えてます。

事業承継市場が活発化して、地域の産業が円滑に承継されていくそんな社会になってくれることを祈り、そして少しでもその助力となるように、このブログでも自身の活動内容をどんどん発信していきたいと思います。