会社を買いたいと考えても、そもそもどうやって案件を探せばいいんだという途方に暮れるのではないでしょうか。
会社を売りたいなんて話が外部に漏れると取引先の信頼を失ってしまう可能性があるので社長の方もなかなか大ぴらに話をしませんので、なかなか日常生活で会社売買の情報を個人で掴むのは難しいです。
そこでおすすめなのがネットのM&Aマッチングサービスを利用する方法です。
本記事ではM&Aマッチングサービスの中でも国内最大手のトランビの使い方や体験談について説明します。
目次
トランビとは?
日本最大級のM&Aマッチングサービス会社です。
社長の高橋聡さんは2005年に家業を継ぐためサラリーマンを辞めて長野へ。
そこで後継者不在でどんどんと廃業していく取引先を目の当たりにしたそうです。
また自身の会社を成長させるためにM&Aをしようと仲介会社に赴くも仲介手数料があまりに高いことに衝撃を受けます。
そして小規模な会社が廃業する大きな理由として仲介手数料である事も。
そこでネットを介して仲介したら小規模な会社でも売り手と買い手のマッチングサービスを作り、当初は簡易的なものからスタート。
徐々に認知度が広がり、今では日本最大級のM&Aマッチングサービス会社に成長。
創業の理念がとても素敵な会社です。
創業の想い
2005年に家業を継ぐために長野に戻って以来、毎年のように後継者不在を理由に廃業をしていく仕入先・取引先を目の当たりにしてきました。
これらの会社の多くは黒字であり、中には日本中でその会社しか作っていないオンリーワンの製品を持つ優良企業も少なくありません。しかしながら、これらの会社の多くは売上が数億円未満の中小企業であり、この規模の会社のM&Aによる事業承継を引き受けてくれるM&A専門家はいませんでした。小規模な会社のM&Aは、かかるコストに対して得られる報酬が少なすぎるためです。
中小企業のM&Aでは、売り手と買い手をマッチングさせる相手先探しに時間とコストが最もかかっています。そのボトルネックを解消するために、デジタルの力を活用しオンライン上で売り手と買い手をマッチングすることで、M&Aにかかるコストを従来の10分の1以下に下げ、時間を劇的に短縮することができるTRANBIを2011年にリリースしました。
TRANBIは、私が父から引き継いだ会社の一事業としてスタートしたサービスです。私自身の中小企業経営者としての経験や視点を糧にしながらTRANBIを通じて、個人でも法人でも誰もがM&Aを選択肢として持つことができる時代を創造することを目標に、1つでも多くの価値ある事業が新しい世代に承継されるお手伝いをできればと思っております。
株式会社トランビ 高橋 聡
トランビの使い方
さっそく、トランビの登録方法とユーザー確認について説明します。
M&Aをオンライン上で行うため、売り手も買い手もお互い信頼性が重要。そこでトランビでは会員登録後、本人確認書類の提出によって利用者が本人であるかのユーザー確認を行っています。
今回はそこまでの手順について順を追って説明いたします。
トランビに登録しよう
①トランビ公式サイト右上の「会員登録」より登録を始めます。
出展:トランビ
②メールアドレスと設定するパスワードを入力し、「利用規約・個人情報保護方針・秘密保持契約に同意する」にチェックをつけて「登録する」→仮登録完了。
登録したメールアドレスにすぐに本登録用のURLが送付されますので、メールアドレスのURLを開いて認証を完了してください。
③次に会員情報を登録していきます。会員区分、M&Aに関する業務をしているか、登録目的、M&Aの経験の有無などの質問事項に答えていくだけです。答え終わったら「次へ」。
出展:トランビ
④そして名前や住所、生年月日や電話番号などの基本的な会員情報を項目に沿って登録していきます。一通り入力が済んだら「登録情報確認のため、事務局から連絡させていただくことを了承する」にチェックして「次へ」。
⑤登録内容の最終確認→「登録する」。
⑥登録した携帯番号をもとにショートメッセージにて4桁の確認コードが送付されてきます。確認コードを入力→「登録する」。会員登録はここで終了です。
⑦新着案件通知の設定。様々な業種や地域、売上高などから自分が欲しい情報のものを選択することができます。ここでメール通知の設定をしておくと情報を見逃さず、いち早く情報をゲットできるのでオススメです。
⑧ユーザー確認を行う
実際に取引するときのためにユーザーの本人確認を行っておきましょう。必要な書類は運転免許証or健康保険証orパスポート。法人ユーザーの場合はこれに加え、履歴事項証明書(登記簿藤本)、名刺が必要になります。
運転免許証や健康保険証は両面とも提出が必要で、スキャンするか写真撮影するかでデータ化して送付することになります。送付する前に再度、登録した名前や生年月日、住所などが提出する本人確認書類と一致しているかしっかりチェックをしておきましょう。
トランビを使ったマッチング方法
会員登録、メール受信設定、ユーザーの本人確認まで完了したらさっそくトランビを使ってみましょう。
案件を探す
「案件一覧」から公開されている案件を見ることができます。フリーワードでの検索や、所在地域、業種、売上などの項目で案件を絞ることができるので、これらを活用して自分の興味のある案件に出会いましょう。
出展:トランビ
匿名で交渉しよう
希望する案件が見つかったら「交渉開始」ボタンより匿名での直接交渉を申し込むことができます。相手に送付するメッセージは分かりやすく丁寧に。興味を持った点や気になった点があった場合は、その旨を確実に記載しましょう。
メッセージを記入したら、利用規約・手数料・契約後の報告義務の3つについての記載を一読し、チェックをつけて「メッセージを送信」。

メッセージは自身の紹介や、何故その事業に興味をもったのか、そして何故その事業をしたいのかなどを具体的に書きましょう。
経験として出来る限り熱い想いを伝えたほうが先方から返信もかえってくる確率が高いです。
お互いに条件があいそうなら実名交渉に移ろう
実名交渉申請は売り手、買い手のどちらからでも可能です。直接交渉を行った画面から「実名交渉を申請する」ボタンで機密保持契約書の内容を確認。連絡先の確認と機密保持契約の同意にチェックをつけて「送信」。
申請後、両者が実名交渉(機密保持契約)に同意したら実名交渉の開始です。承認されたら名前や会社名、電話番号などの情報がお互いに通知されることになります。
詳細な条件を確認
ここからは直接会ったりしながら話を進めていきます。まずは機密保持契約を改めて書面で締結します。その後、会社の経営方針や譲渡への考え方を確認。最後に譲渡可能性の議論を深めていきましょう。不明な点や困った点があればトランビ運営事務局のサポートがあるので安心して取引ができます。
無事成約したらトランビへ連絡しよう
そして無事に契約が成立したら、トランビにその旨の報告をして終了となります。案件管理画面内または交渉ルーム内から「成約報告」ボタンを押し、契約書の提出やアンケートの回答を行います。
これには注意しなければならない点があります。
成約日を起算日とし7営業日以内に成約報告をしなければ、成約手数料の加算や遅延損害金が発生します。十分に注意し、売り手も買い手もこのトランビへの連絡の手順を欠かさないようにしましょう。
料金について
売り手も買い手も、会員登録、メールの通知登録、メッセージのやりとり、マッチングまで費用は一切かかりません。
ただし、契約が成立した場合は、買い手は成約金額の3%を利用料金として支払うことになります。売り手は成約完了の報告までをしっかりすれば、無料で利用することができます。
M&A専門家に仲介してもら場合
マッチング後の具体的な契約までは自身で行う必要があります。
しかしM&Aに関してどちらも知識が浅い場合、契約が上手くまとまらない可能性ががるのでM&A専門家に仲介依頼したほうがいいかもしれません。
トランビにてM&A専門家を紹介してもらう事も可能ですし自身で見つけてもいいと思います。その場合トランビへ成約金額の他に仲介手数料が必要です。
仲介手数料の一般的な相場は会社の購入金額の5%か150万の金額の大きいほうとなります。手数料は高額なので案件の規模などに応じてケース・バイ・ケースで考える事をおすすめします。
【体験談】トランビを使ったM&A交渉
2018年9月頃から会社を購入するためにトランビを使って案件探しを実際にした体験談を紹介します。
トランビを使って個人が会社を買う事はできるか
出来ます。
僕自身、2018年9月から同年12月までトランビを使って個人でM&A可能な会社を探しておりました。
トランビにて興味を引いた会社20件ほどに問い合わせし、実名交渉に3社ほど進み、1社とは基本合意直前までいきました。
最終的には色々と問題点などが判明し契約とはいきませんでしたがこの経験より個人でも会社を買うことは不可能でないと結論に至りました。
実際に26歳の若者がトランビにて会社を買った事例もあります。
https://lovely-lovely.net/business/miyama-seiki#i
トランビを使って会社を買う為のコツ
前職では製造業関連の業務についておりその経験を活かすために主に製造業関連の会社に交渉を行ってきましたがなかなか実名交渉に辿り着くのでさえ苦労しました。
やはり法人の方が信頼度が高いので当たり前なのですが。
ただめげずに気になった案件一つ一つに問い合わせを繰り返し、動機や何故関心を持ったのか、どのようなビジネスの展望を考えているかなどの自身の思いを出来る限りメッセージに込めるようにしたところポツポツと返信を返してくれる案件が出てきました。
交渉はスピード勝負
トランビは近年利用者が大きく伸びておりライバルが増えています。ライバルよりも先に交渉のテーブルに乗るためにはスピードが命です。
先方も後継者不在で会社売却を考えている場合出来る限り早く交渉を進めたいと考えている方が多い事も理由の一つです。
先方から返信が帰ってきたら出来る限り早く返信する必要があります。1日後に返信した所、別の方と交渉を進める事となったとお断りされた事もあります。
早いうちに社長へ面談を申し込もう
実名交渉後は会社の業務内容や財務状況などをメッセージにてヒアリングしたりするのですがさっさと面談のアポイントをとり、直接会う事をおすすめします。
メッセージでやり取りするよりも一度、先方に赴いて話を聞いた方が業務内容について理解出来ますし、自身の思いも伝わりやすく信頼関係を築く事ができました。
仲介の圧に負けず考え、納得した上で会社を買おう
製造業などの会社だと大抵M&A専門家が仲介として入ってます。先方側の仲介なのでできるだけ高く、早く話を進めようとしてくる仲介者もいます。
仲介者としてはできるだけ早く契約を進めた方が、案件にかかる工数が少なくすむので儲かります。
この為メリットばかりを羅列してきますが流されず、交渉対象の会社のデメリットだったりリスクをしっかりと調査(デューデリジェンス)し納得した上で契約に進む必要があります。
中にはリスク面を色々と突っ込んで聞いたりすると突如豹変する仲介者もおり、仲介者と関係が上手くいかず決裂する事もありますが、そんな会社は辞めておいたほうが無難です。
まとめ
M&Aのマッチングサイトのトランビについて自身の体験談をふまえて紹介しました。
トランビは案件が豊富で相手方からの反応も早いのでおすすめのマッチングサイトです。
ただ会社を買うというのはなかなか上手くいきませんし時間もかかります。
交渉が何度も決裂してしまうと徐々に自信も元気も無くなってきます。
ただそんなに落ち込む必要はありません。M&Aは結婚に似ているとよく言われますが確かにその通り。
トランビでは毎日のように案件が出てきます。めげずに頑張って活動していれば自分にピッタリとベストな会社に必ず出会えます。
めげずに頑張って活動していきましょう。