会社を買いたいと考えて、ネットのM&Aマッチングサービスを利用してみたものの自分が探している業種が中々見つからなかったり、ようやく見つけたとしても交渉に進めなかったりします。
M&Aは結婚と同じようなものとも言われてますので、運命の会社を探すのはかなりの根気がいります。運命の会社と出会う確率を上げる為には出会い先を増やすしかありません。
ネットのM&Aマッチングサービス以外のマッチング方法として国が運営している「事業引継ぎ支援センター」があります。
この事業引継ぎ支援センターへの登録方法から使用方法を紹介します。
本記事ではM&A案件のマッチングからサポートを行ってくれる事業引継ぎ支援センターへの登録方法や使い方について説明します。
目次
事業引継ぎ支援センターとは
近年経営者が高齢化し後継者不在により廃業を余儀なくされている背景があり、その解決策として国が各地方の商工会議所等と協力し後継者不在の中小企業と後継者候補をつなげる為に設立された機関です。
ここに後継者候補として登録すると、案件を紹介してもらう事や数々のサポートを受ける事ができます。
【後継者不在などで、事業の存続に悩みを抱える中小企業・小規模事業者の方の相談に対応するため、「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法(以下「産活法」という)」 に基づく全国47都道府県の認定支援機関に「事業引継ぎ相談窓口」を設置しております。また、特に事業引継ぎ支援の需要が多い全国7箇所に「事業引継ぎ支援センター」を設置しております。
※「事業引継ぎ」とは、後継者不在などで事業活動を継続できない企業が、事業を他の企業に売却し、事業を引き継いでいただくことです。】
事業引継ぎ支援センターの登録方法は?費用はかかるの?
事業引継ぎ支援センターで案件を紹介してもらう為には、後継者候補として登録する必要があります。
ここではその登録方法や費用について説明します。
登録方法
事業引継ぎ支援センターへの登録方法は、基本的には自身が住んでいる地域の支援センターに電話をして面談の予約をし、面談を完了すると登録が可能です。
ただし、登録先のセンターによって面談までに講習を受ける必要があったり、その支援センターがある地域に住んでいる必要があったりと条件が変わってきます。
3例ほど各事業引継ぎ支援センターの登録条件について紹介します。
千葉県事業引継ぎ支援センター
特に条件などなく面談予約をすれば面談可能です。
神奈川県事業引継ぎ支援センター
IDEC(公益財団法人 横浜企業経営支援財団)等の創業セミナー(全4回、隔週の水曜日に開催)に全て出席し、受講完了したサインを貰うことで面談可能となります。
長野県事業引継ぎ支援センター
面談予約をすれば面談可能ですが県内に住んでいる方か事業引継ぎの際は県内に移住可能な方のみとなります。
費用について
基本的に登録から案件紹介までは無料です。ただし登録の際に神奈川県事業引継ぎ支援センターのように条件として創業セミナー等を受講する必要がある場合、セミナー費用代がかかります。
案件を紹介してもらいやすくする為のポイント
事業引継ぎ支援センターですがメインは企業と企業のマッチングがメインとなるため中々個人に紹介してくれる事はありません。確か個人のマッチングは1割程度だと聞いております。
ただ僕は個人で登録し、登録から半年後に案件を紹介してもらう事ができました。
その経験から紹介してもらいやすくする為のポイントを紹介します。
職務経歴書と履歴書は自身のスキルを漏らす事なく記載しよう
事業引継ぎ支援センターでの面談では職務経歴書と履歴書を提出する必要があります。
面談ではこれらの書類を見ながら面接官が色々な質問をします。バックボーンがしっかりしていたり技能を沢山持っていると信頼度があがり案件を紹介してもらいやすくなりますので自身のもっている知識や経験、技能は漏れる事なく書きましょう。
ただし面接官の方も知識が豊富なので嘘の経歴などを盛ると見抜かれてしまうし、そういった事をすると信頼が下がるので盛るような事はしないようにしましょう。
フォーマルな服装と態度で面談に望もう
個人でも紹介してもらう為には、面接官から信頼を勝ち取れるかどうかだと考えます。なので面接にはフォーマルな服装、スーツが無難です。
また凛とした態度で、質問には明解な回答をできるよう意識をする事です。
そして、なぜ事業を承継したいのかなどの思いがあればそれも伝えましょう。
たまに連絡をとり案件がないか確認する
マッチングは事業承継センターの方で提出した書類と面談内容から自動的に行われます。このため事業承継センターから案件を紹介されるまでは基本的に放置となるのですが時折、進捗状況などの確認の連絡をいれて事業承継に対する自身の本気度を示すこともおすすめです。
ネットのM&Aマッチングサービスとの違い
ネットのM&Aマッチングサービスとの違いですが、大きな違いとしては
「案件を自分で探すか、紹介してもらうか」
です。
またネットのM&Aマッチングサービスは基本的に個人で交渉をすすめていかなければいけませんが、事業承継センターの案件の場合、センターの職員の方と一緒に二人三脚で案件の交渉を進めていく事ができますので非常に心強い部分があります。
但しやはり案件が紹介されるまでは待ちとなってしまい受動的な動きとなるため、事業承継センターに登録して案件が紹介される事を祈りつつ、M&Aマッチングサービスを利用して別の案件も同時並行で交渉する事をお勧めします。