事業承継

M&A体験談|事業承継して即コロナ、売上1/3から補助金を活用して回復するまで

後継者のいない数名程度の小さい会社を株式購入という形で事業承継をして1年半が経過しました。同じ期間ブログの更新も停止してしまい、、、

というのも会社購入して半年経たないうちにコロナが流行し売上は半減、休業を余儀なくされるといった窮地に陥りブログ更新をする余力がなかったからです。

会社経営に集中し、補助金・助成金を活用しながら売上改善策を講じた事が功を奏したのか現在ではコロナ前以上の売上まで回復。複数回あった緊急事態宣言も2回目以降はその影響を軽微なものに変える事ができました。

やっと余裕が出てきたので小規模M&A(事業承継)を行ってからの経験や反省をブログに残していこうと思います。

本記事ではコロナショックで下がった売上をどういった方策で乗り切ったのか?について自身の実体験を紹介します。

事業承継体験談 小規模M&Aをクロージング直後のコロナショックから売上回復するまで

事業承継した月から突如売上激減

私が会社を買うまで過去最高益を更新するなど売上は非常に好調でした。この状態なら人を増やしても人件費を余裕で賄えるし利益も確保できるなー、我ながらなんていい会社を買ったんだろうなんて思っておりました。しかし会社を購入した2019年11月を境に売上が激減します。丁度10月に消費税が8%から10%に上がった直後だったので駆け込み需要などの反動で売上が減っただけで少し時間が経てばまた売上も回復するだろうと気楽に考えていました。この時は。

しかし12月以降も売上が回復する事はなく低調な状態が続き、会社を買ってから毎月赤字という状態です。年が明け直後に1人の従業員がインフルエンザにかかるなどのドタバタがあったり技術伝承や業務の引継ぎで手一杯状態で、売上に対して何の対策もできない状態が続きました。そんなこんなしているうちに中国でのコロナウイルス感染状況が悪化しているといったニュースを見る日が多くなりました。その直後中国で世界初のロックダウンへ突入しました。中国と直接取引している物は無かったので対岸の火事程度に考えていたのですが甘かったです。

そしてそのままコロナウイルスによる緊急事態宣言に突入、更に売上が半減するといった最悪な状況に陥ります。

会社を購入した後にITエンジニアを1名雇い入れ人件費が増えた事もあり会社を買ってから半年間は毎月赤字という状態でした。

当初は会社の製品知識や技術の伝承に注力して、経営面は技術関係の伝承が終わってからと考えていたのですが状況が状況な為、技術伝承と並行して資金繰りの改善を急ピッチで進めなくてはならない状況に陥り、精神的にもかなり厳しい状況でした。

補助金を活用して危機を脱出

コロナの影響で売上は低調だし休業やテレワークを余儀なくされ、引継ぎ作業が中断してしまうといった状況下でしたが、

  • 政府が持続化給付金や雇用調整助成金、新型コロナウイルス感染症特別貸付といった方策をスピーディーに打ち出してくれた事。
  • 休業中やテレワーク中に補助金・助成金の情報収取や申請作業に集中できた事

が功を奏し、各種補助金や持続化給付金や雇用調整助成金をフル活用する事で数か月の資金繰りには目途がたち、またその間に申し込んだ新型コロナウイルス感染症特別貸付が受理されたため、資金面での問題は解決に至りました。

これら方策はうちのように数名程度の規模の会社には非常に効果的な方策で大変感謝しております。

次項では具体的に活用した補助金とその活用方法を紹介します。

1)小規模事業者持続化補助金を活用して売上改善へ

資金繰り面の問題は解決できたものの、売上は低調な状態のままです。

そこで売上改善の為の方策を実施する事にしました。

もともと会社では電話営業や訪問営業などを行い顧客を増やしてきていましたがコロナの流行で今後はこのようなオフライン営業は廃れていくと考えオンライン営業に舵を切る事に。

ちょうど小規模事業者持続化補助金がオンライン営業などアフターコロナにあった事業形態に転換する企業は補助金額を50万円から100万円に増額された事もあり、この補助金を活用してオンライン営業を強化する事としました。

具体的には「オンライン商談システムの導入」と「HPの改修」の二つです。

オンライン商談システムに関してはHPにzoomと連携したオンライン商談システムを組み込みました。最初のうちは提案しても使い方が分からないという事で断られる事が多かったですが最近は皆zoomの使い方に慣れた為か活用できる機会が増え、現地に行かなくても打合せができる為、業務の効率が上がりました。

HPに関しては、元々のHPが約20年前のビルダーソフトで作成されていた事もあり、作りが古いのと管理が大変だった為、最新のツールで静的化したサイトに作り直しました。

製品ページに関しても製品の特長や強みなどが分かり易く伝わりやすい用にデザインを改定、その結果1年後の現在ではアクセス数は3倍、HPを介した新規問い合わせの数も4倍となり新規顧客の獲得にかなり効果を上げています。

製品ページ全て見直しをする過程で自社の製品の強みやターゲットがどういった層なのかといった営業をする上で必用なSTP(Segmentation Targeting Positioning)を見直すきっかけにもなりました。事業承継先の企業は社長が高齢という事もありHPが無かったり営業力のないHPが多いのでまずはこの改善から始めるのはお勧めです。

この方策に150万円程かかりましたが補助金で100万円ほど補助して貰えるので非常に助かります。

今年度からは補助金額は通常の50万円に戻り補助率も3/4から2/3になってしまいましたが小さい会社であればかなり活用できる補助金なのでお勧めです。

注意点

1点注意点としては補助金を申請してお金が振り込まれるまでに半年程度かかるようなので資金面で余裕がある状態で進めるようにしましょう。

(実際、申請して4か月経ちますがまだ入金がありません(2021/8月現在)

3)事業承継補助金を活用して社内業務の効率化や顧客サービスの充実化へ

会社に入って一番の課題と感じたのが情報共有です。

後継者問題で悩んでいる会社はほとんどが同じ課題を抱えているのではないかと思います。

当社も各々の作業が共有されておらず属人化してしまっている状況でした。

作業内容や顧客からの問い合わせ内容やトラブルシューティングなどが全くアウトプットされていない状況でした。

そこでまず最初の1~2か月間は業務を教わりながら、教わった内容を全てExcelにデータ化してまとめる事しました。1~2か月ほどすると大抵の業務はデータ化、内容も見直して標準化したのですがシート数が大量となってしまい必要なデータがExcel内のどこにあるのか見つけにくくなってしまった為、もっと検索しやすくみやすい共有システムを構築する必要がありました。

その他にも社内インフラがかなり老朽化していてPCなどは10年選手、社内サーバーも定期的にエラーが発生するし、、、といった状態です。

流石に1人で業務を覚えながら社内インフラをの整備や共有システムを構築するのは難しかったことから知り合いのITエンジニアを雇入れる事としました。

コロナ禍で資金繰りもカツカツで人を雇入れる余裕がない状態ではありましたが、事業承継補助金を活用する事でその問題を解決しました。

事業承継補助金(2021年から事業承継・引継ぎ補助金に名称変更)の一番のメリットとして社内の人件費も事業承継に関わる作業の場合補助してくれる点です。

この補助金を使う事でITエンジニアの人件費の2/3を補助金で賄う事ができ費用面の負担を大幅に軽減し社内情報共有サービスやインフラ整備を進める事ができました。

また申請してから審査が非常に迅速で2週間ほどでお金が振り込まれた点も資金繰り面で非常に助かりました。

注意点

事業承継補助金は条件によって補助率が変わります。通常は1/2ですが条件を満たすと2/3となります。

しかしその条件はかなり厳しいものです。経営革新計画の取得は会社の事業内容をしっかり理解した上で事業計画を作成する必要があり実際に私も取得しましたが10ヵ月ほどかかりました。

お勧めの条件は人を正社員として1人雇うといった条件です。これは事業承継補助金が採択された後に人を1人正社員として雇えばいいといったものです。私の事例だと承継してすぐに1人では無理と判断しエンジニアを1名雇いましたが事業承継補助金採択されるまでは契約社員で採択後に正社員とするといった条件を飲んでもらいました。また補助金の条件もこの条件であれば満たすとの事を補助金事務局から確認も取っております。(現在事業承継補助金は名前が変わったので条件変わっているかもしれませんので詳しくは補助金事務局へ確認ください)

このように結構融通の利く条件なのでこちらの条件を満たすのがお勧めです。

ただ固定費は増えるので売上を上げていかなくてはいけませんが。

まとめ

昨年度はコロナによって会社の活動を休止しなくてはいけない状況に陥りました。しかしそういった状況下でも必ずやれる事はあります。

私の場合は休業中や全く注文が入らず暇なときは活用可能な補助金、助成金を調べ、それを利用した売上改善の為の事業計画書を作成する事に注力しました。

その結果、補助金を活用してコロナで低迷した売上から回復できましたしコロナ禍だった昨年度も黒字決算を達成する事ができ、現在もコロナ前よりも売上高が高く好調な状態です。

ピンチの時はチャンスもたくさん転がっているので絶望せずチャンスを見出して頑張る事が重要だと感じた1年でした。