M&Aマッチングサイトを通じて見つけた会社へスピードを意識して問い合わせをした結果、無事交渉の舞台に乗ることができました。
社長面談を開いてもらい社長の思いを知り、自身も継いでいきたいという思いが生まれました。
また社長も僕に好感を抱いてくれ、是非とも交渉を進めていきましょうという事に。

目次
M&A仲介業者を交えて交渉を進める事に
この案件は元々仲介業者が間に入っている案件でした。
仲介業者の方から連絡があり、今後の大まかな流れについて説明がありました。
基本的に社長に直接連絡はダメだそうです。
質問や疑問点があれば仲介業者を通す事。
そして契約までにデューデリジェンス作業を行って問題なければ基本合意をして、最後の詰めの部分を確認して最終合意の流れとの事。
デューデリジェンスとは
聞きなれない言葉ですが、M&Aではよく出てくる言葉で契約するまでに対象の会社に問題がないか調査する事です。
主に三つのデューデリジェンスがあり
・ビジネスデューデリジェンス
これは業務内容がどのような流れで行われているかとか、仕事で必要な資格があるのか等を調査し、会社を購入し事業承継した後に、スムーズに業務を引き継いでいく事ができるか確認する作業です。
・税務デューデリジェンス
簿外債務がないかや粉飾決算を行っていないかなどを調査します。
・法務デューデリジェンス
会社が法律違反(例えば賃金未払いなど)をしていないかを調査します。
また、この説明の際に仲介業者から僕とも仲介契約を結ばないかという提示がありました。
そのほうが中間にたって今後の契約をスムーズに進められるからとの事でした。
「社長とも仲介契約してるから契約完了したらどちらからも仲介手数料貰えるのかと、いい商売だな」
と思いつつも、スムーズに案件を進めたかったので申し出を受ける事としました。
M&A仲介業者のマシンガントークと強引な進め方にギクシャク
申し出を受ける旨伝えたところ、やる気をだした仲介業者はどんどんと案件を進めていこうとします。
デューデリジェンスなんてすっとばして基本合意に向けて動き出していました。
次回面談した際に基本合意をして金融機関なども回るといった連絡が。
最初に聞いていたデューデリジェンスして不安点を洗い出した上での契約との話が消えています。
流石に進み方が早すぎるので不安に思い、仲介業者に電話をするとマシンガントークです。
一方的に話を、それもM&Aの専門用語を連発しまくり内容もよくわからないし会話が成立しません。
そんな事から徐々に不安と不信感がつのりました。
商工会議所に相談に行くことに
商工会議所や国の創業支援センターでは無料で専門家に相談をする事ができます。
なのでそこを利用してM&Aの専門家の方に進め方や現在の状況について相談する事にしました。
相談所ではかなり親身になって相談にのってもらえ、案件自体は優良案件ですが仲介業者の進め方はちょっと強引だねとの事。
また通常の進め方や案件で気になるポイントについてアドバイスをもらうことができました。
ここで得た知識やアドバイスをもとに仲介業者へメールにて問い合わせをした所、仲介業者から回答がありましたがややトーンダウンした印象です。
またもう少し慎重に時間をかけて確認したいと伝えたところ、少しでも不安があるならやめたほうがいいと社長が言っているといった不安を煽ってくるような事も。
M&A仲介業者に不信感を感じるも積極的に問い合わせした結果、交渉中断に
やり取りを重ねるうちに不信感や不安がどんどん大きくなり、電話やメールでのやり取りがヒートアップしていきました。
僕としてはきちんと事業を引き継いで進めていく為に、できる限り詳細なシミュレーション
(必要な技能だったり資格について、従業員を雇う必要があるのか)をした上で契約をしたと考えていましたし、不安があるという事はそれだけ真剣な証だと思います。
上記のような思いだったり、デューデリジェンスをして出てきた課題などについてどんんどんと問い合わせをしたのですが、大して実のある回答はなく最終的には
「社長から連絡があり、今回の案件はスピード重視でそんなに不安を感じられるようなら別の方と交渉させてもらう」
との連絡が。
この案件に非常に乗り気だったのでとてもショックです。
だけどデューデリジェンスをして出てきた不安を解消しないままに引き継ぐのも問題がありますし納得したうえで契約をしたいので諦める事としました。
とはいえショックは大きく1か月くらい放心状態でしたが。。。
M&Aは契約内容だけでなく人間関係やタイミングなどいろいろな要素が複雑に絡み合っていて難しいなと感じた体験でした。