退職して4か月、とうとう基本合意を結びました。
基本合意というのはM&Aをするにあたってお互いに別の案件の交渉を始めたりとか、別の人と交渉したりといった事をしない事を合意するもので、婚約のようなものでしょうか。
あとは株式取得の為の費用を全額調達すれば、最終合意に漕ぎつける事ができます。
ただ全財産をつぎ込んでも株式取得費用を全額賄う事は出来ないので、日本政策金融公庫へ融資を申し込みに行くことにしました。
目次
事業引継ぎ支援センターの紹介のもと、日本政策金融公庫に行ったらVIP待遇だった
以前トランビで見つけ、交渉失敗に終わった案件では融資というのがとても大きなハードルでした。
その案件を進めていたときはサラリーマンでしたが、サラリーマンというのは融資を受ける場合、個人に分類されます。
法人、個人事業主、個人の3分類で一番信頼が低くて融資がおりにくいのが個人です。
不動産を購入等の融資だったら違いますが、私が融資してもらおうとしていたのはM&Aで株式取得の為の資金の融資。
個人にM&Aの為の資金を融資した実績はどこの金融機関もないようで、いくつか金融機関を巡りましたが門前払いでした。
本件でも融資に少々不安を抱いておりましたが事業引継ぎ支援センターの方から日本政策金融公庫へ取り次いでくれ、日本政策金融公庫へ融資の申し込みに行く事となりました。
日本政策金融公庫とは
日本政策金融公庫は国が100%出資する金融機関で、これから創業する人や中小,零細企業などに対して低金利で非常に条件のいい融資制度がいくつもあります。
また条件によっては民間金融機関よりも借りやすくなります。
今回の場合、
- 国が事業承継に力を入れている
- 同じく国の機関である事業引継ぎ支援センターからの紹介である
- 事業承継しようとしている会社が黒字経営の非常に優良な会社である
といった条件がととのっており融資を受けれる可能性は高いと考えました。
事業引継ぎ支援センターの方と一緒に日本政策金融公庫へ
事業引継ぎ支援センターの方のほうで日本政策金融公庫へアポイントを取って頂き、当日待ち合わせをして一緒に日本政策金融公庫へ。
日本政策金融公庫へ行くと、手前の簡素な打ち合わせスペースでなくて奥の個室に案内されました。支店長まで挨拶に出迎えてもらいM&A仲介の人いわくVIP待遇との事。
至れり尽くせりで感謝しかありません。
日本政策金融公庫で融資相談、聞かれた内容は?
挨拶をすませたあと具体的な案件の説明や融資を受けたい金額について説明に。
◆公庫担当者はココも見ている◆
☑️あなたの服装(普段の仕事の服装だと好印象)
☑️あなたの足元(几帳面さを見てる)
☑️あなたの手(建設業や寿司屋など。仕事への注力度合いを見てる)
☑️あなたの言動や振る舞い(最低限のマナーを見てる)担当者は色んなところから情報を得ています。
— みつき / 公庫融資のエッセンス (@mitsuki1141) July 23, 2019
元日本政策金融公庫職員のみつきさんのツイートで、相談時に身なりや発言なども融資の可否を決める一つの判断材料となるとの事なので、スーツに革靴着用で自分の中の情報を整理して出来る限りの準備をして望みました。
まずは案件内容の概要説明
交渉を進めている会社の賃借対照表や損益計算書などを渡し、案件の内容や株式取得総額などについて説明します
ここでは事業引継ぎ支援センターやM&A仲介の方からかなり援護射撃をもらい、非常にいい雰囲気で進める事ができました。
次に職務経歴書や履歴書を提出し自身について色々な質問がありました。
大企業のサラリーマンから何故事業承継をしようと考えたのか?
事業承継でなく自分で創業しようとはおもわなかったのか?
管理職になったストレスで辞めたんじゃないのか?
などやんわりとした口調でしたが内容は中々鋭い質問が多かったです。
ただブログでアウトプットして事業承継という活動に対する自身の考えは整理出来ていたので、淀みなく答える事ができ最後の方には信頼を得る事ができ、応援しますといった言葉をかけてもらえました。
融資の条件で引っかかった、ただの個人では融資が難しい
最後に融資の話です。
今回、相手方が後継者不在の会社なので事業承継融資が適応されます。
ただ日本政策金融公庫の融資対象は法人または個人事業主が対象なので、通常だと融資対象になりません。
昨年、トランビで見つけた別案件で金融機関に融資相談に行った際も同様の事を言われており、
「今回も難しいのかなー」
と思っていたところ日本政策金融公庫では条件を満たせば個人にも融資を行う事ができ、既に個人への融資も1件ですが実績もあるとの事。
その条件は経営承継円滑化法の金融支援認定を各都道府県知事から受ける事。
経営承継円滑化法の金融支援認定とは
これは事業承継の窓口を広げる為に改正された法律で、この認定を受ければ個人でも日本政策金融公庫から事業承継融資を受ける事ができ、更に金利に関しても特別金利という特別に安い金利で融資を受ける事ができるそうです。
まずは経営承継円滑化法の金融支援認定を受けにいこう
認定は自分が住んでいる都道府県の知事へ申請する必要があります。
中小企業庁のHPに具体的な申請マニュアルや申請様式、申請窓口について説明があります。
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/shoukei_enkatsu.htm
窓口に確認した所、申請して30日ほど最大でも60日ほどで認定してもらえるそうです。
日本政策金融公庫の融資手続きはこの認定がおりてから開始され、1~1.5か月ほどかかるので最終契約まではまだ2~3か月ほどかかりそうです。
まとめ
昨年は融資で苦汁をなめさせられた嫌な思い出があり、今回も難しいのかなと思ってましたが、融資してもらえる道筋が見えてきたので安心しました。
今年中には話をまとめられるように頑張りたいと思います!!